動楽メール


動楽道免許皆伝 其ノ五


あたり


正解はピアノ線です。ちょっと簡単でしたか?

素材の話をする前に、まずタイヤの構造自体を見てみましょう。

タイヤは、図のように大きく5つの部分に分かれます。



各部分にはそれぞれ違う役割があって、そのために各々ゴムの内側には材質の異なる部品が使われています。

では、実際に何のためにどんな部品が使われているか見てみましょう。

トレッド
模様がある部分のゴムの厚さは乗用車用タイヤで20mm前後です。
路面をしっかりグリップし、しかも衝撃で破損しないようにベルト※2で補強されています。


サイドウォール
外側はゴムで覆われていて内部は繊維で構成されています。
タイヤで一番柔らかい部分ですが、車の重さを支える必要がありますからしっかりとした構造になっています。「柔らかくて、しかも丈夫」という大変難しい性能の両立を求められます。


ビード
スチールワイヤー(ピアノ線)が入っています。タイヤをホイールにしっかり固定するための頑丈さが求められます。




そうなんです。
ピアノ線というのは、このビードを形成しているスチールワイヤー(=鋼鉄線)のことです。「えっ、ピアノ線ってスチールワイヤーなの?」という人もいますよね。乗用車用タイヤでは数本〜30本位のピアノ線が使われているのは意外な事実。


他ににどんなものが使われているかというと…

・カーボンブラック
・硫黄
・レーヨン繊維
・ナイロン繊維

…などなど。


他にも、スタッドレスタイヤ「ガリット2」の場合は、ゴムにクルミが混ぜてあったりしますね。本当にいろいろなものが入っています。

また、車のタイプや走り方によっても求められるタイヤの性能は変わりますので、各部のつくりもタイヤによって少しずつ違います。

例えば最近トーヨータイヤが発売した「トランピオVimode」の場合、高性能スポーツタイヤなのでトレッドパターン※5がアグレッシブなのは当然ですが

トレッド※1部分のゴムを二層にし、表面にはグリップが高いゴムを、内部にはレスポンスを高めるゴムを配置
●図のカーカス※6と呼ばれる部分は、繊維がビードからビードまで貼りわたされている。繊維の『強く引っ張れば剛性が高まり、力を伝えやすくなる性質』を生かして、カーカスの張力を場所ごとに設定することで、伝達効率を向上させレスポンスを高めた

という具合です。

当然といえば当然ですが、タイヤは単にゴムの固まりではなく、高度な工業製品なのだということがわかると思います。タイヤの進化はめざましいものなのです。

しかし、どんなに高性能なタイヤでも、いずれタイヤの空気は自然に漏れてしまいます。空気圧が不足すると性能が十分に発揮できません。お出かけの前にはタイヤの空気圧のチェックをお忘れなく。


名称用語説明
1トレッド路面と接するタイヤの外側の部分
2ベルトトレッドゴムの内側の補強材。材質が鋼鉄線はスチールタイヤと呼ばれる
3サイドウォール車を横から見た時のタイヤの腹の部分。タイヤサイズなどが記載されている
4ビードタイヤがホイールと接する部分でここでホールとしっかり固定される
5トレッドパターントレッドの模様は雨の路面の排水を高めたりグリップを向上させる役割がある
6カーカス車を横から見た時繊維が放射状に配置されているのでラジアルタイヤと呼ばれる


次回は、タイヤの「顔」、トレッドパターンのお話です。