何かと不思議なタイヤの世界。今回は、初代トランパスからトランパスの開発に携わっているというトランパスっ子、いえいえ、「トランパスの生みの親」に突撃します!  
     
 
今回の標的
タイヤ技術部
今回の獲物
金井担当課長代理
 
 
1年は早い?遅い?
 
タイヤ技術部の方とお会いする事は、めったにないんですが、「タイヤ技術部」は東京にはありませんよね?
兵庫県伊丹市のタイヤ技術センター内にあります。ここには昨年(2001年)の11月に移転しましたが最新設備が整っていて、とても良い環境ですよ。
噂のシミュレーションシステム「T−mode」があるところですね。早速ですが、タイヤの開発には、どのくらいの期間がかかるんですか?
商品企画の段階で何年も温めるものもありますが、タイヤマーケティング部から「こんなタイヤをつくって欲しい」という具体的な依頼が来てから商品化するまでは、約1年くらいでしょうか。
手彫りのタイヤって?
 
1年間にどんな工程を踏んで、タイヤが出来あがるんでしょうか?
商品の企画が固まったらまずターゲット車種を決めて、メインの開発サイズを決めます。そして、「T−mode」でシミュレーションを繰り返して「ボディ(タイヤの内部構造)」と「パターン(タイヤの顔とも言えるトレッドパターン)」の設計をします。ここが一番大変なんですよ。頭の中で「このパターンはイケる!」と思って試してみたら使えないタイヤだったり、そうかと思うとちょっとボディの形状をいじっただけで、全然違うタイヤになってしまったり…デザインと性能の両立は本当に難しくて、思うように行かないことが多いですねぇ。
「T−mode」ができたことで、開発期間は短くなったんですか?
それは、確実に短くなっています。ボディの設計なんて、以前は1ヶ月かかったようなことも、今は3時間で出来ちゃいますから。
それは、凄い!ボディとパターンが決まったら、次は実際にタイヤを作る番ですね?!
と言っても、専門の職人さんにお願いして彫ってもらう「手彫りのタイヤ」ですよ。
手彫りということは、服で言えばオートクチュール?高そうですね〜。
デザイン案を全て金型化できれば良いんですが、そうも行かず…。この「手彫りタイヤ」というのは、開発には絶対に必要な工程なんです。
この後につくる
金型は、高価で1面(金型の単位は「面」なのです)作るのに何百万円もかかるので、GOを出す時はとても緊張しますねぇ。依頼が来てからここまでが3〜4ヶ月。開発期間で見ると約半分なんですが、モールド(金型)化が決まると「8割出来たぞ!あともう少し!!」という気分になります。
えっ、車上荒らし?!
 
自分の設計したタイヤが出来あがってきた瞬間は、どんな気分ですか?
どきどきして、思わず見に行って確かめてしまいますね。触ってみたり。やっぱり一番楽しい時ですね。他人のつくったタイヤも「○○のタイヤが出来たぞ」って聞くと、「どれどれ」とみんなで見に行くんですよ。
じゃあ、街を歩いていても他人のクルマのタイヤが気になってしょうがないんじゃないですか?
気になります!同僚なんて、スーパーの駐車場で他人のクルマのタイヤを覗いていて車上荒らし間違えられていましたよ。
それは、カワイソウ。でも、かなり怪しい人に見えますもんね〜(笑)。
でも「触って確かめたい!」という気持ちは、同じ設計者でも若い人にはあんまりないみたいで、出来上がったタイヤを見ても「ふうん」という人もいるんですよ。ゲームやシミュレーションに馴れている世代だからかもしれませんけど。
タイヤは、切ってみて初めてわかる
 
金型が出来ると、いよいよ量産化ですね!
その前に、テストして、報告書を書いて、指示書を書いて、またテストして…遅くまで残業が続く日々があります。ここは、最初の設計段階の次に忙しいところですね。
どんなテストをするんですか?
特性テスト」や「耐久力テスト」、そして実際にタイヤを装着してみて、ドライバーがクルマを走らせる「実車テスト」があります。
テストでわかった弱点を克服していく過程なわけですね。
テストで故障がわかると、そのタイヤを切って調べるんですが、今一緒に仕事をしている井上くんは実験チームでの経験が長いせいか、タイヤの内部のどの辺りで故障が起きているかというのを、タイヤを切る前から当ててしまうんです。
鋭いタイヤ勘ですね!井上さんは、働き者ですか?
セブンイレブンと呼ばれるくらい働き者です(笑)。
新発売のタイヤ?!
 
タイヤを作る上で、一番大変なことは何ですか?
設計者といえども図面のことだけを考えていれば良いわけではなくて、実は「コーディネーター」の能力が要求されることでしょうかねぇ。
調整役なわけですね。
スケジュール管理に、他部署との交渉と…設計書や依頼書を書いている時間とあんまり変わらないかも(笑)。
幾つくらいのタイヤ開発を担当されているんですか?
常に3〜4本が走っているという感じです。
心の休まる暇がないですね!今も新しいタイヤを開発中ですか?
今度発売のタイヤが、まさに大詰めです!
えっ、どんなタイヤが発売されるんですか??やっぱりトランパスシリーズですか?!
いっぱい話したいことはあるんですが、どうしても次号までは、公表できないんです!
「動楽カドマエ」の取材後記
伊丹からの出張お疲れさまでした。写真ではわからないと思いますが、金井さんはすっごく背が高くて、思わず見上げてしまいました。
新発売のタイヤ、気になる…。そのタイヤについては、第2弾でしっかり突撃したいと思いますので、お楽しみに!
 
   
toyo-tire.com     動楽メールバックナンバー  
 
Copyright 2002 TOYO TIRE & RUBBER CO., LTD