前回のインタビューの最後にぽろりと出た「新商品」の話。
これを放っておくわけには行かない!と「動楽カドマエ」が、またまた突撃しましたっ。
 
     
 
今回の標的
タイヤ技術部
今回の獲物
金井担当課長代理
 
 
新商品は、トランパスシリーズだった
 
前回のインタビューの最後に話に出た新商品というのは、ズバリ7月1日に発売された「トランパスSUスポーツ」ですねっ?
その通りです。前回のインタビューは、発売日も決まってホームページに載せる商品カタログの原稿を校正中というタイミングだったので、まだお話できなかったんですよ。
どうして今、SUV専用タイヤなの?
 
「トランパスSUスポーツ」というタイヤは、その名の通りSUV用のタイヤなんですか?
そうです。1980年代には、パジェロのようなアウトドア志向のSUVが流行りましたが、最近は同じSUVでもエクストレイルやRAV4のような街乗り用のSUVが人気なんです。実際、キャンプに行く時だって山道を走っている時間より、高速道路を走っている時間の方が長いくらいですしね。
でも、現在あるSUV用のタイヤは、どうしてもアウトドア色が強いものばかりになってしまう。
そう言われると、静かで乗り心地の良いセダン用のタイヤみたいなタイヤが、SUVにもあっても良いなと思います。
今回の新商品は、まさにそこなんです。アウトドアの香りがSUVの持ち味なので、それを消してしまうのはもったいない。しかし、実際にちょい乗りするには乗り心地がイマイチ。そんなジレンマを解消するためには、全く新しいタイヤをつくらねばと思いました。ゼロからの出発という意味で、ミニバン初の専用タイヤである初代トランパスに通じる生みの苦しみがありました。
SUVパーツメーカーをまわる
 
『新しいニーズの提案』ということで、開発方法もちょっと変わっていたとか。
まず、SUVパーツメーカーの意見を聞くために各地のメーカーに行きました。これは、初めての経験でした。
技術者は、どうしても性能にばかり目が行ってデザインが二の次になりやすいので、タイヤのトレッドパターン案を数種類用意してどれが良いかを聞いてまわったところ、ダントツで一番人気だったパターンがありました。
それを基に「トランパスSUスポーツ」のパターンをつくったんです。SUVパーツメーカーをまわっていなければ、あのパターンの先進性に気がつかなかったですね。
手彫りタイヤの彫り直し
 
「手彫りのタイヤ」を彫り直したって本当ですか??
本当です(苦笑)。パターンとボディ(タイヤの内部構造)の組み合わせの試行錯誤も終わって、金型をつくる直前まで行ったんですが、その会議の日に(!)差し戻されました。「8割終わった」という気分だったのが一気にふり出しに戻りました。
ボディもパターンも一から考え直して、もう一度「手彫りのタイヤ」を製作するということですよね。
そうです。更に、金型の図面を描く部署や、金型メーカーのスケジュールをおさえてしまっていますから、他の金型の図面を先に仕上げてもらって金型化を前倒ししたり、その合間を縫って「トランパスSUスポーツ」の金型をつくったり、その調整が大変でした。
営業部からのダメ出しだったんですか?
いえ、開発側です。逆に営業部、企画部を説得しましたよ。製品化の合格ラインはクリアしていたんですが、私の上司である西畑部長が「オンロードの性能に満足できない」と自ら待ったをかけたんです。開発側で自分のつくったタイヤに待ったをかけるなんてことは、異例ですね。
それ程、今回のタイヤにこだわりがあったということですね。
そうですね、乾いた路面での操作性が今回のタイヤのテーマでもあったので、こだわって良かったと(タイヤが無事発売された今は…)思います。
パン屋になりたい技術者!
 
小さい頃から技術者になりたかったんですか?
祖父が麻酔科の機械の技術者で、自分で蓄音機をつくるような人だったんです。その影響を受けているので、文科系に進もうと思ったことはありませんでしたね。
タイヤの開発以外にやってみたい仕事はありますか?
加工品の工場の現場技術者なんて、良いですね。
やっぱり技術者なんですね〜。
でも、タイヤ開発の技術者の中には、「パン屋になりたい」という人が意外に多いんですよ。こねて作って焼いて、という過程が似ているせいかもしれません。
ドライブスルーのタイヤショップ?
 
自分のためにタイヤをつくるとしたら、どこにこだわりますか?
繊維とスチールベルトです。
自分の好きなタイヤをつくれると面白いですよね。
そういうお店があっても良いと思うんですよ!「ドライブスルーのタイヤショップ」とか。「ミニバン用のタイヤ→パターンはこれ→サイズはこれ」と選ぶと、その場で出来て装着して帰れたら便利だなあと。
画期的ですね。クルマもカスタマイズできるんですから、タイヤもクルマや用途に合わせてカスタマイズできると楽しいと思います。では、最後に社員として今後トーヨータイヤに期待することは、何ですか?
とても堅実な会社なんですよね。その姿勢をなくさずに、更に革新性をプラスした会社になると良いなと思います。あっと驚くようなタイヤをつくりたいですね。今までが、堅実な「大衆食堂」だとして、目指すは「中華専門店」でしょうか。
得意な分野を更に発展させていく…ということですね?今日は、どうもありがとうございました!
「動楽カドマエ」の取材後記
2回にわたっての登場、ありがとうございました!
タイヤを開発し終わった時というのは、「早く飲みに行きたい!」という気持ちと「まだ気を抜けないぞ」という緊張感が入り混じるそうです。でも、1年もの戦い(?)の後でのお酒は格別でしょうね?!
 
   
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