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プロジェクトTOYO

第1回 その時、世界初のタイヤが生まれた

きっかけは“ミニバンに一目ボレした社員”

初代ミニバン専用タイヤ『トランパスMP』が誕生した1995年当時、『ミニバン(※1)』といえるクルマはまだ数える程しかありませんでした。しかしトーヨータイヤのある開発スタッフは、大勢で乗れて荷物も沢山積めるミニバン(※1)に一目ボレ。「これからは、ミニバンだ!」とばかりに早速ミニバン(※1)を購入しました。

開発者魂に火をつけた、ミニバンの盲点とは?

待ちに待った休日のドライブ!
しかし、彼はミニバン(※1)への期待が大きかっただけに「カーブや高速でフラつくなぁ」と、乗り心地にちょっとがっかりしました。
また、しばらく経ったある日。洗車の時に、タイヤの外側だけが減っているのに気付いてビックリしました。

それをきっかけに、彼の開発精神に火がつきました!

こんなに大きくてセダン(※2)とは形も違うミニバン(※1)なのに、セダン用のタイヤの中からしか選べないのは、おかしい!ミニバン(※1)が、快適に安心して走れるタイヤはできないのだろうか??車種を限定すれば、特別な性能を持ったタイヤが出来るのでは…?!

ここから、ミニバン専用タイヤの開発が始まったのです。

誰も考えつかなかった『車種限定』のタイヤ

「ミニバン専用のタイヤをつくろう!」と決意を固めた彼は、社内を説得し、数名でプロジェクトチームを発足しました。そしてそれからというもの、通勤時間はもちろんのこと食事中やお風呂の中でも、彼らの頭は、ミニバン用タイヤのことでいっぱいになりました

フラつかず、タイヤ外側の摩耗を防ぐためにはどうするべきか」何十回という打ち合わせとテストを繰り返す日々。
なかなか突破口が見つからずスタッフに焦りの色が見えてくる中、「ミニバン専用のタイヤなんて本当に売れるのか?」と社内から厳しい意見が上がり、プロジェクトチームとの間で激しい議論が交わされました。

プロジェクトチーム最大の難関とは?

プロジェクトチームの頭を一番悩ませたのは、「フラつきと外側摩耗を抑えるトレッドパターン(※3)」の追求でした。

※1 方向性パターン
トランピオVimode
トランピオVimode
※2 対称パターン
トランサスTEO
トランサスTEO

トレッドパターン(※3)は、タイヤと路面が接地するとても重要な部分です。その頃は、スポーツタイヤはV字型の「方向性パターン」※1、セダンタイヤは外側と内側が同じ「対称パターン」※2というのが、いわばタイヤ業界の常識でした。

しかし、どちらのパターンにしてもミニバン(※1)のフラつきや、外側摩耗を抑えることができません。

発想の転換が生んだ新商品

ついに突破口が見つかりました。その突破口とは、「非対称パターン」の採用です

タイヤの外側と内側でデザインを変える「非対称パターン」は、当時は高い性能を要求されるスポーツタイヤなどで一部採用されているだけで、ミニバン(※1)のようなファミリー向けのクルマに装着するタイヤに採用するなど、思いもよらぬことでした。

しかし、この「非対称パターン」の採用で、外側摩耗を防ぐことに成功!そして、カーブの時のフラつきを抑え、路面をしっかりとグリップできるようになったのです。あわせて内部構造もミニバン(※1)の車重を支えられるように変更しました

そして、1995年7月。元祖ミニバン専用タイヤ
「トランパスMP(エムピー)」が、発売されたのです。

続く困難の日々

『トランパスMP』は、「ミニバン専用」という今までにないコンセプトや、「非対称パターン」の珍しさも手伝って、雑誌などでも大々的に取り上げられましたが、即ヒットしたわけではありません。

プロジェクトチームの次なる仕事は、ミニバンタイヤの可能性を説いて回ることでした。まずは、社内の営業スタッフ達に。そして次に、タイヤ販売店のスタッフの方々に。「これからはミニバン(※1)のブームが来る」「ミニバン(※1)にはトランパスが必要なんだ」と根気よく話し続けました。

ミニバンブームの到来

そんな彼らに、とうとう追い風がいたのは、1996年。ミニバンブームの到来です。ミニバン(※1)がファミリー層を中心に大ブレイクするとともに、装着されている汎用タイヤ(※4)への物足りなさが徐々にクローズアップされてきました

そして、1997年。ついに、『トランパスMP』が売れ始めました。ミニバンユーザーが、販売店のスタッフが、「ミニバン専用タイヤ」のメリットに気づいたのです。

現在のミニバン専用タイヤ

2003年7月現在、トランパスシリーズの総出荷数は、約380万本。のべ95万人が履いた計算になります。
「トランパスMPプラス」を経て、2003年1月に発売された「トランパスMP3」は、ミニバン専用タイヤ3代目。フラつきや偏摩耗(※5)を抑えるだけでなく、“もっとミニバン(※1)で走りを楽しめるタイヤ”へと、めざましい進化をとげました。

トランパスMP→トランパスMP plus→トランパスMP3

(2003年8月掲載)

(※1)ミニバン
車高が高く室内が広いクルマの型。ファミリーカーとして普及している。詳しくは「初心者必見!カーライフ講座:Q8」を参照。

(※2)セダン
座席とトランクが分離されたクルマの型。最もオーソドックスな乗用車。詳しくは「初心者必見!カーライフ講座:Q8」を参照。

(※3)トレッドパターン
いわば「タイヤの顔」ともいえる部分。タイヤの表面にある溝と切り込みで構成された柄や模様のこと。

(※4)汎用タイヤ
幅広い車種タイプに装着できるタイヤのこと。

(※5)偏摩耗
タイヤのある一部の部分だけが、減っていくこと。セダンに比べて車高の高いミニバンの場合、カーブなどで外側に車重がかかることが多いため、タイヤの外側に偏摩耗がおきやすい。



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