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プロジェクトTOYO

第5回 PROXES誕生秘話 一流ブランドの称号〜PROXESに賭けた男の執念〜

1991年春、ヨーロッパで誕生したPROXES。
その後、アメリカへと進出、社運を賭けたタイヤ開発、地道な販促活動が実を結び、欧米で高い評価を獲得した。

「良い製品であれば、必ず認められる」
【TOYO TIRES】の強い熱意と先進性を重んじる社風、小回りの利く生産体制が、大きな原動力となった。

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一流ブランドの壁

PROXESは、欧米のユーザーに高く評価された。しかし、ヨーロッパでは新車メーカーにタイヤ納入(標準装着)できなければ、一流ブランドとして認められない。ユーザーに支持されたPROXESだが、新車メーカーへのタイヤ納入は果たせなかった。

「TVR社」へのタイヤ納入について熱く語る藤川。PROXESへの思い入れは人一倍だ。
「TVR社」へのタイヤ納入について熱く語る藤川。PROXESへの思い入れは人一倍だ。

「このままでは終われない」
2001年春、この事態を打破するため、一人の男が立ち上がった。
タイヤ商品企画(※1)担当の藤川である。

「PROXESのブランドイメージをもっと高めよう」
新車メーカーへのタイヤ納入と、PROXESのさらなる飛躍。藤川は、ヨーロッパにおけるPROXESシリーズ新たな販促戦略を始めた。それが、スポーツカーメーカー「TVR社(※2)」へのタイヤ納入だった。

スポーツカーファン注目のクルマ

スポーツカーファンを魅了する、「TVR」イギリス本社。いかにもイギリスといったレンガ造りの建物が印象的。
スポーツカーファンを魅了する、「TVR」イギリス本社。いかにもイギリスといったレンガ造りの建物が印象的。

TVR社(※2)の創立は、1947年。自社エンジン搭載の、伝統あるイギリスのスポーツカー専門メーカーである。TVRのクルマは、全て手作業での製造のため、年間2,000台の生産数と1,000万円近い高価格ながら、世界中のスポーツカーファンに注目されている。

スポーツカーにふさわしい軽くて丈夫な構造と、運転を楽しむためのクルマ設計が特長。そのため、ハンドル操作に熟練を要求され、装着するタイヤへの要求も高い

「クルマとの相性(マッチング)が良いこと。ハンドリング性能が優れていること」
TVRのタイヤは性能面、デザイン面においてもTVRにふさわしいものでなければならなかった。

レーシングカーで使用されるパイプフレームを採用し、高剛性を実現している。
レーシングカーで使用されるパイプフレームを採用し、高剛性を実現している。
ボディは鉄板ではなく、FRP(強化プラスチック)で、軽量化を図っている。
ボディは鉄板ではなく、FRP(強化プラスチック)で、軽量化を図っている。

TVRに装着されれば、PROXESのブランドイメージがさらに高まるはずだ
藤川はすぐさま、【TOYO TIRES】のヨーロッパ駐在スタッフにTVR社とのコンタクトを依頼した。

閉ざされたチャンス

だが、当時採用していたタイヤとクルマとの相性の良さを評価していたTVR社は、新しいタイヤへの興味を示さなかった。藤川のプロジェクトは、早くも行き詰った。

運が味方した

しかし、事態は【TOYO TIRES】にとって有利な方向へと動き出す。
まもなくして、そのタイヤがモデルチェンジされるものの、TVR社はタイヤの性能、デザイン性に納得しなかった

「今こそ、【TOYO TIRES】のタイヤをみてもらおう」
藤川は、TVR社に欧米で高評価を獲得していたPROXESシリーズのスポーツタイヤ「PROXEST1- S」を持ち込んだ。そして、TVR社による「PROXEST1-S」の性能テストが実施された。

──その結果、【TOYO TIRES】のスポーツタイヤ「PROXES T1-S」が選ばれた。
TVR社はメーカーの規模ではなく、TVRのクルマを生かす性能を持つタイヤを選んだのだ。

大きな自信

TVR社のチーフ・エンジニアのニール・アンダーソン氏は言った。
『「PROXES T1-S」は、あらゆる走行状況下において、我々を心から満足させてくれました。本当に良いタイミングで【TOYO TIRES】に出会うことができました。』
その評価が【TOYO TIRES】の大きな自信となった。

「PROXES T1-S」はTVRの「TUSCAN」をはじめ、4車種に標準装着
【TOYO TIRES】は、TVR社における全装着タイヤ9割以上のシェアを占めている。

本社を訪れた際、製造工程のクルマを見学する【TOYO TIRES】のメンバー。
本社を訪れた際、製造工程のクルマを見学する【TOYO TIRES】のメンバー。
「PROXES T1-S」が標準装着された、TVRの「TUSCAN」
「PROXES T1-S」が標準装着された、TVRの「TUSCAN」

プロジェクト発足から、1年を満たない短期間での装着。藤川は、このプロジェクトの成功を確信した。

日本でのブランドイメージ

ところが2002年、日本では思わぬ事態が起きる。
「【TOYO TIRES】のタイヤは、TVRのブランドに合わない
TVRの日本正規代理店であるオートトレーディング社が、【TOYO TIRES】のタイヤ採用に難色を示したのだ。
TVRの本社も、ビッグマーケットである日本の意向を無視できない。本国イギリスの技術者に認められた「PROXES T1-S」が、日本への輸入車には装着されないかも知れない。
藤川は、直ちにこの解決に動いた。

「PROXESの実績、性能を分かってもらおう」
藤川は、販促企画のトップを含む総勢8名で、オートトレーディング社へと向かった。
欧米におけるPROXESシリーズの実績をはじめ、「PROXES T1-S」の高い雑誌評価、自分たちのタイヤ作りに対する考えを説明した。

──そして、その実績と熱意が認められた。【TOYO TIRES】の「PROXES T1-S」が、TVR に装着するタイヤとして認められたのだ。

「PROXES」について語る南原氏
「PROXES」について語る南原氏

オートトレーディング代表の南原氏は言った。
「この会談でPROXESの海外での高評価を知り、【TOYO TIRES】に対するイメージが大きく変わりました」

南原氏は、先日、日本で行われたPROXESシリーズの新商品「PROXES CT01」の発表会でも、PROXESについて熱く語ってくれた。

現在、オートトレーディング社は【TOYO TIRES】の良きビジネスパートナーである。

「PROXES誕生秘話 世界最速への挑戦」はこちら

(2004年2月掲載)

(※1)商品企画
タイヤの商品企画は、クルマとタイヤの市場動向を予測し、最新技術をどのように商品に反映させるかを決定する。

(※2)TVR社
会長自ら「人生は楽しむことがすべて」と語り、楽しむためのクルマを製造するスポーツカーメーカー。



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