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第18回 「ウィンタートランパスMK4」開発秘話 前編 史上初*への挑戦!開発者の熱き魂

2008年8月に発売された「ウィンタートランパスMK4」
2008年8月に発売された
「ウィンタートランパスMK4」

2008年8月、冬のミニバンにとっての朗報がもたらされた。スタッドレスタイヤ史上初の新しい技術を取り入れたスタッドレスタイヤ「ウィンタートランパスMK4」が発売となったのだ。この新商品が誕生するまでには、1人の男の、険しく長い道のりがあった。独自のコンセプトを持つスタッドレスタイヤ「ウィンタートランパスMK4」ならではの、完成までの旅路をご覧いただこう。

スタッドレスタイヤに賭ける男がここにいた

【TOYO TIRES】で商品開発グループに所属している朝山は、2004年にそれまでの海外向けハイパフォーマンス系タイヤ担当から、スタッドレスタイヤ担当へと配置換えになった。おりしも【TOYO TIRES】社内では、新たなスタッドレスタイヤ開発プロジェクトが始まる時期であり、朝山はその中心となることを期待されていたのだ。

新商品開発担当となった朝山は、史上初のスタッドレスタイヤを目指し、日夜試行錯誤を繰り返した。
新商品開発担当となった朝山は、史上初のスタッドレスタイヤを目指し、日夜試行錯誤を繰り返した。

「今までは先輩の下で経験を積む日々だったが、これからは1人の開発者として、歴史に残るスタッドレスタイヤを1から作ってみたいと思っていた。以前から願っていた『タイヤを選ぶ人が楽しくなるような新商品』を作るチャンスだ」
朝山はこの新しい機会に接したことで、密かに情熱を燃やしていた。

タイヤ開発を志した原点

朝山は元来クルマ好きだった。そして、かねてからクルマに関わる職業に就きたいとは考えていた。しかし、若き日の朝山をタイヤ開発者へと導くある出来事がなかったら、今の彼はなかっただろう。

朝山は学生時代から、友人とあちこちにクルマで出かけるのを何よりの楽しみとしていた。
ある日のこと。夜の高速を、友人を乗せクルマで走行していた。クルマは1ヶ月程前に購入したばかりの新車であり、冷静な運転ながら楽しい時を過ごしていた。
しかし、平穏なドライブは突然終わる。前を走るトラックの方から、いきなり大きな黒い塊が飛んできたのだ。
「なんだ?こっちに来るぞ。ぶつかる…!」
朝山のクルマに向かって黒い物体は突進してくる。左右のレーンにクルマがいることは確認していたため、大きく避けることもできない。とっさに、無意識のうちにではあるが少々ハンドルを動かしていた。
黒い物体は朝山のクルマ脇すれすれを飛び去り、同時に「バーン!」という衝撃音が起こった。驚きながらも横を見ると、ドアミラーが折れ、車体からぶら下がって揺れていたのだ。触れただけでこの衝撃では、もしもボンネットやフロントガラスを直撃していたら、どうなっていたかは考えるまでもない。血の気が引き、冷や汗が噴き出した。
「あのトラック、タイヤがバーストしたんじゃないか?」
同乗した友人たちと話し合ったが、前のトラックはスピードをゆるめる気配もなかった。気づいていない可能性もあったためトラックの運転手に合図をして停車させると、片側2輪ずつの構造のうちタイヤ1本がなくなっていたにもかかわらず、運転手はやはり気づかず走行していた。トラックの横に回って初めて気付き、驚いたのだ。

まず安全があって、特長がついてくる

「ウィンタートランパスMK3」の後継に当たる商品開発プロジェクトの中心として、ミニバン専用スタッドレスタイヤを開発することとなった朝山には、この経験に基づいた1つの信条がある。「どんな斬新なタイヤでも、安全を優先した結果でなくてはならない」ということだ。クルマ好きとしては、愛車に装着するタイヤはどうしても気になるところだ。それは、スタッドレスタイヤになっても変わらない。しかし、スタッドレスタイヤは、夏タイヤにも増してユーザーの安全を預かる部分が大きい。
新商品開発に当たって、ユーザーの心を躍らせる新鮮さと、新しいタイヤだけが持つ安全への必然性をどこで両立し、表現するか?
朝山は、自らの信条をタイヤに載せるため、がむしゃらにもがいていた…。

※史上初*は当社調べ。

「ウィンタートランパスMK4 開発秘話 後編」はこちら

(2008年9月掲載)



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