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第22回 「ガリットG5」開発秘話 前編 冬道で出会う、あらゆる危険を解消せよ!

2009年8月に発売された「GARIT G5」
2009年8月に発売された
GARIT G5

2009年8月、世界初(※1)のコンパウンド技術を採用した乗用車用スタッドレスタイヤ「GARIT G5(ガリット・ジーファイブ)」が発売となった。新性能「吸着力」を備えた「GARIT G5」は、あらゆる冬の路面に“密着”するスタッドレスタイヤ。全方向360°に効く!【TOYO TIRES】のスタッドレスタイヤをさらに進化させる新商品だ。あらゆる冬道を走破するスタッドレス性能への挑戦、環境変化、世界初となる新素材の採用、お客様からの熱い期待…といくつもの壁を乗り越え、ついに誕生した「GARIT G5」のその完成までの軌跡をご覧いただこう。

開発者の“プライド”を胸に秘め…

今、本当にお客様に喜ばれるスタッドレスタイヤとはいったい――」。
2006年秋、乗用車用スタッドレスタイヤ新商品開発プロジェクトの開発担当者に抜擢された朝山は、一人悩んでいた。「スタッドレスタイヤの性能は行き着くところまで性能が向上している」お客様からは、そんなうれしい声もちらほら聞こえてくる。だが、その一方では「冬の路面では、まだまだ怖い思いをする」といった冬道での不安を訴えるお客様の声も聞こえてくる。

新商品発表会にて、晴れ晴れと「GARIT G5」の商品説明を行う開発者・朝山。
新商品発表会にて、晴れ晴れと「GARIT G5」の商品説明を行う開発者・朝山。

「日々、進化・改良に心血を注ぐ開発者である限り、常にお客様の厳しい声に耳を傾けなければならない」。朝山は、開発者としてのプライドをかけ、お客様の不安をすべて受け止める覚悟を決めていた。だが、開発への熱き思いに反して、新商品開発のコンセプトを決めかねずにいた朝山は、大きなプレッシャーと向き合っていた。

冬道で出会う、あらゆる危険との闘い

【TOYO TIRES】のスタッドレス開発では、毎年毎年調査をかけ、降雪地区、準降雪地区、非降雪地区それぞれのお客様が、「今、スタッドレスタイヤに何を求めているのか?」をリサーチしている。その結果、どの地域でも「アイス性能」(冬性能を上げてほしい)という声は強い要望だ。また、会員数約30万人を誇る【TOYO TIRES】発行のメールマガジン「動楽メール」のアンケート調査でも、「アイス路面でのブレーキング性能」がお客様の最重要項目となっている。

「お客様は、安全運転を心がけていても、冬道では『おっ』と思う危険な瞬間にまだまだ遭遇している」。朝山は、この難題を解決する手がかりを探しに、北海道佐呂間(サロマ)町にある【TOYO TIRES】の「冬期タイヤテストコース」へと飛んだ。
「いまだ解決策は見えていない…だからこそ、タイヤを改めて研究しよう」
朝山は「冬期タイヤテストコース」へと向かう飛行機でも不安に暮れていた。
だが、いいタイヤをお客様に届けたい、その一心だけが朝山を支えていた。

衝撃的な“ひらめき”

誇らしげに「GARIT G5」の開発秘話を語る朝山。
誇らしげに「GARIT G5」の開発秘話を語る朝山。

「冬期タイヤテストコース」に到着した朝山は、【TOYO TIRES】のスタッドレスタイヤをはじめ、他社のスタッドレスタイヤも徹底的に研究した。何度も、何度も研究を重ねていく中で、あるひとつの疑問が浮かんだ。

「テストコースで得られる結果は、めまぐるしく路面が変化する“今現在”の一般道に、果たして対応できるのだろうか?」
近年叫ばれているように、日本でも地球温暖化の流れを受け、北国であっても、アイス路面、スノー路面、シャーベット路面と冬道の路面は刻々と変化を見せる。だが、テストコースは、路面がきれいに磨き上げられた、まさにテストをするために“人工的”につくられた路面。もちろん、タイヤの性能を限界まで引き出せるよう、タイヤにとって様々な厳しい環境をつくりあげることは可能であるが、実際にスタッドレスタイヤを装着するお客様が走る“今現在の一般道”に対応できるのだろうか。その瞬間、朝山の頭の中でひらめきが浮かんだ。
「そうだ、変化の激しい“今現在”の冬道の路面に着目すればいいのだ!」

あらゆる冬道を走破する!

かねてからいわれていたことではあるが、一般道のアイス路面はツルツル滑るとはいえ、凸凹があり、その凸凹はcm単位からミクロ単位まで違いがある。路面の凸凹に違いがあるということは、タイヤはその分、接地する面積が変わりタイヤが滑りやすくなる原因ともなるのだ。さらに今現在の冬道というのは、地球の環境変化により、雪があって、それが固まって、クルマの熱や太陽の日差しにより溶けて、また夜になると凍るという、路面状況の変化のサイクルが早くなっている

だからこそ、どんなアイス路面でも、タイヤがしっかり路面をとらえて離さないスタッドレスタイヤを開発することができれば、お客様は冬道でもう危険な思いをすることもないのだ。そう、それは「あらゆる冬道を走破する360°スタッドレス」だ。ついに「GARIT G5」の商品コンセプトを見つけた朝山は、小さくガッツポーズを決めた。

だが、朝山はここで安堵していられない。この先には、タイヤの材料はじめ、従来にないタイヤの開発が待っているからだ。朝山は、はやる気持ちをおさえ、商品コンセプトを抱えて、ある男のもとへと訪れた。

(※1)2009年6月現在、当社調べ。

「ガリットG5 開発秘話 後編」はこちら

(2009年10月掲載)



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