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走れ!タイヤくん

第10回 ABSってなあに?

ABSって何の略?

「ABS」とは、「Antilock Brake System」の略です。直訳すれば「ブレーキをロックしない機能」となります。
では、ブレーキがロックするとどのようになるのでしょうか?
例えば、雪の日にちょっと強くブレーキを踏むと、ABSがないクルマの場合タイヤはロックして回転を止めたまま走行してしまいます。こうなると「ぶつかる〜!」と思いながら、必死にハンドル操作しても方向を変える事が出来ません
タイヤは回転している時しか方向を変えられないからです。

ABSってどんな機能?

ABSが作動すると、タイヤがロックしようとしても断続的にブレーキ圧を緩めて、ポンピングブレーキ(※1)をかけているような状態にします。タイヤは回転をし続けているので、急ブレーキをかけた時でも方向転換ができ、クルマの安定性も保たれるというわけなのです。
しかし、実際にABSの作動を実感したことのある人は、少ないかもしれません。ABSを作動させるには、相当強くブレーキを踏む必要があるからです。非力な女性ドライバーではブレーキを踏み込めないこともあります。とは言え、急ブレーキは危険を避けるための反射的な行為です。それ以外は通常のブレーキ操作を心がけてください。

一度実感してみたい人は、雨の日に広くて安全な場所で力いっぱいブレーキを踏んでみてください。ブレーキペダルへ「ブルブル」と強い振動を感じれば、ABSが作動している証拠です。スピードメーターの中でランプが点いて、ABSが作動しているのがわかるクルマもあります。
ABSが作動した場合と、ABSがなくタイヤがロックした場合の減速加速度(G)をそれぞれグラフにしてみると次のようになります。このGは、ドライバーには前方に押し付けられる力として感じられます。

ABSの場合、自動的にポンピングブレーキをかけている状態なので、Gの値は小刻みに揺ながら高い値が続きます。一方、タイヤがロックしてしまった場合は、ロックした瞬間は高い値ですがその後は極端にGが低くなり、止まる直前まで上がりません。このデータは濡れたアスファルト路面の例ですが、グラフの時間が長いのは止まるまでの距離が長いということになります。

ABSウンチク

ABSは、元々は飛行機のタイヤ用に開発されたシステムですが、軽量化や精度が向上した結果、今では殆どの乗用車に装備されています。ABSが登場する以前のタイヤはロックした時の「ロックμ」と呼ばれるものがブレーキ性能の指数でした。
「μ(ミュー)」とは、路面との摩擦係数のこと。μが高ければ高い程ブレーキ性能が向上します。
しかしABSの普及に伴い最近では、μが一番高い値「ピークμ」を高める工夫がされるようになりました。「トーヨーTEO plus」「プロクセスT1R」などのトレッドコンパウンドにシリカ(※2)が配合されているのも、その工夫のひとつです。

ABSを上手く活用するポイント

●ポンピングブレーキをかけない
ABSとは、いわば「自動的にポンピングブレーキ(※1)をかけている」状態なので、ABSが作動している時にポンピングブレーキ(※1)をかけると、二重にかけていることになってしまいます。ブレーキペダルは力一杯踏み続け、ハンドル操作に集中しましょう。

●「ブルブル」という振動にびっくりしてブレーキを放さない
ABSが作動すると、ブレーキペダルにショックを感じますが、それこそがABSが作動している証拠です。

(2006年10月改訂)

(※1)ポンピングブレーキ
踏力を一定にせず、足ポンプで空気を入れる要領で何度も踏んだり離したりするブレーキの踏み方。

(※2)シリカ
元素記号SiO2。微粒二酸化ケイ素のこと。



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