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走れ!タイヤくん

第23回 「ハイドロプレーニング」対策、教えます!

水がたまった路面で、ある程度のスピードを出したとき、タイヤが路面をつかみきれずクルマのコントロールがきかなくなる‥‥そう、それが「ハイドロプレーニング」現象です。

動楽メール32号(※1)で、『ハイドロプレーニングという単語は、ご存知ですか??』という四択のクリックアンケートを実施したところ、以下のような結果になりました。

1.今、初めて聞いた 215票
2.聞いたことはある 211票
3.当然!意味もちゃんと知っている 1,686票
4.実は、体験したことがある 1,063票

3の「当然!意味もちゃんと知っている」が多いのは、動楽メール読者対象のアンケート結果ならではでしょう。また、実際に体験された方も多く、ハイドロプレーニングに遭遇することは決して珍しいことではないようです。

もし「ハイドロプレーニング」現象に遭遇したら

ハイドロプレーニングは、特に高速道路で起きやすい現象です。路面に雨水がたまっているとき、タイヤは溝によって排水し、路面をつかんで回転しているのです。しかし、速度が上がりすぎて臨界点を超えると、溝による排水が追いつかなくなり、ハイドロプレーニング現象が起こります。タイヤが水の上に「乗った」状態になり、ハンドルが全くきかなくなるのです。

その瞬間、ドライバーはどうしたら良いのでしょうか?アクセルから足を離さず、ハンドルはそのままに、ブレーキも踏まない、シフトダウンも禁物‥‥タイヤの回転に合わせて徐々に減速しながらタイヤのグリップの回復を待ちましょう。
でもこれってけっこう高度なテクニックですし、たいていその瞬間は半ばパニック状態。「起きたらどうするか」ではなく「起こさないようにする」ことが一番の対策なのです。
スピードとタイヤの溝に気をつけよう

まず、ハイドロプレーニングを引き起こす主な要因をあげてみましょう。

  • たまっている水の深さ(水たまりが深いほど危険)
  • クルマの速度(スピードが上がるほど危険)
  • タイヤの摩耗(タイヤの溝が減るほど危険)
  • タイヤの空気圧(適正空気圧より低いと危険)

このうち、「たまっている水の深さ」はいわば環境の条件ですから、どうしようもありません。大雨のときや路面に水がたまっている状態では、十分に気をつけて走行しましょう。
それ以外の要因は、ドライバー自身が気をつければ防ぐこともできるんです。中でもクルマの速度は大きな要因。雨の日は特にスピードに気をつけたいものですね。

それから、状況としては次のような場面でハイドロプレーニングが生じやすくなります。

トンネル出口
トンネル内は乾いていて、トンネルから出たとたん路面に水がはっている状況。
注意速度に気をつけましょう。トンネルのカーブでは特に注意が必要です。
雨がやんだとき
雨がやむと安心してしまいがちですが、部分的な水たまりでもハイドロプレーニングが生じることがあります。
注意油断は禁物です。水たまりをみたら、速度を落としましょう。
道路に「わだち」があるところ
交通量が激しい道路、あるいは冬にチェーンが必要な降雪地帯など、「わだち」があるところは水はけが悪くなり、雨がやんだ後も水がたまっていることがあります。
注意速度に気をつけて「わだち」を避けるように走行しましょう。

「ハイドロプレーニング」をタイヤで防ぐ?!

レース用のタイヤで「スリックタイヤ」(※2)というものがありますが、このタイヤには溝がありません。「スリックタイヤ」(※2)とは、乾いた路面用のタイヤのこと。つまり、タイヤの溝は「雨のためにある」といっても過言ではないのです。

● タイヤの溝の役割

水のたまった路面では、タイヤに接触する部分の水が押しのけられてタイヤの溝に集められ、進行方向(前)へと排水されます。そこで、溝の深さがとても大切になります。
新しいタイヤの溝の深さは8〜9ミリ。これが1.6ミリ以上なら「法律違反ではない」のですが、安全性を考えると、溝の深さが半分くらいになったらタイヤを交換したいものですね。

● タイヤの空気圧の役割

タイヤの空気圧も大切です。空気圧不足(※3)だと、タイヤの中央部分が路面にきちんと接地してくれません。そうすると溝からの排水も効率良く行われません。空気圧は適正値を心掛け、低くならないように注意しましょう。

タイヤの雨対策

タイヤの溝は、深さはもちろん、その切り方(パターン)も大切です。
例えばミニバン専用タイヤ「トランパスMP4」は、フラつきなどを抑えるために非対称パターンになっているだけでなく、タイヤと路面が接する内側と外側では、溝のパターンを変えて排水性能を向上させています。
また、「プロクセスT1R」は、V字型に溝を切って排水性を良くしているのが特長です。
そして、インチアップ用(※4)の低偏平タイヤは、さらに溝の幅を広げ、排水性能で劣らないように工夫されています。

【TOYO TIRES】のテストコースでは、8ミリという過酷な水深状態をつくり、ハイドロプレーニング現象が起きにくいタイヤを作るためのテストが繰り返されています。

ハイドロプレーニングに強い溝パターンのタイヤを選ぶこと、これも大切な対策のひとつなのです。

(2010年5月時点)

(※1)動楽メール32号
2003年5月配信のメールマガジン。
ここで実施したアンケートの結果を翌月の動楽メール33号で発表した。

(※2)スリックタイヤ
サーキット走行で晴天時に使われるタイヤ。溝がないため路面と密着しやすく、グリップ力が増す。

(※3)空気圧不足
タイヤ整備不良のワースト1記録を持ち、様々な弊害がある。詳しくは「走れ!タイヤくん:第19回」を参照。

(※4)インチアップ
リム径(ホイール)のインチを大きくすること。詳しくは「走れ!タイヤくん:第21回」を参照。



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