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走れ!タイヤくん

第34回 動楽カドマエが行く!宮崎テストコース 〜タイヤ開発の謎に迫る

知られざるタイヤを開発する現場をレポートする企画第3弾!今回は、宮崎にある【TOYO TIRES】のテストコースを取材してきました。
以前北海道佐呂間町にある冬期テストコースをご紹介しましたが、宮崎テストコースはどんな施設なのでしょうか?

タイヤ開発の現場第1弾
<「タイヤ技術センター(兵庫県伊丹市)」>はこちら!

タイヤ開発の現場第2弾
<「冬期テストコース(前編)」>はこちら!

南国・宮崎にあるテストコースとは…?

南国らしい、まぶしい日差しの宮崎。真冬でも路面が凍結することはないが、台風の通り道なので1年のうち試験中止になる日が何度かある。
南国らしい、まぶしい日差しの宮崎。真冬でも路面が凍結することはないが、台風の通り道なので1年のうち試験中止になる日が何度かある。

宮崎テストコースを訪れたのは梅雨明け宣言が出された当日でしたが、気温は30度を超え、日差しはすでに真夏の厳しさでした。
この宮崎テストコースでは、日々【TOYO TIRES】のテストドライバーが新しいタイヤの開発のため、多種多様なクルマで走行試験を行っています。

宮崎テストコースの全景。全長1.5kmの直線路の向こうにハンドリングコースがある。
宮崎テストコースの全景。全長1.5kmの直線路の向こうにハンドリングコースがある。

宮崎テストコースで行われる試験は、操縦安定性、ノイズと乗り心地性能、ウェット制動性能、排水性能などがあります。試験方法にはドライバーがタイヤを乗り比べる官能評価と計器で計測する試験があります。

コースの種類と役割

突起乗り越しの試験を行うコースにはマンホールの蓋を模した様々な形状の突起がある。
突起乗り越しの試験を行うコースにはマンホールの蓋を模した様々な形状の突起がある。

テストコースには現在、26種類の表面が異なる路面があり、様々な走行環境を再現できる試験が可能です。
路面はデコボコのある悪路から、濡れて滑りやすい路面までが用意されていて、氷雪路以外でのスタッドレスタイヤの試験も行われます。
サロマテストコースとは異なり、常設のテストコースならではの設備もたくさんあります。
スプリンクラーで水をまいてウェット路面を再現する人工降雨装置や、路面の一部をガラス張りにして下からタイヤの接地面を観察できる設備などです。

ハンドリングコースは大小のカーブを組み合わせたレイアウトを採用し、一般道路を再現した様々な走行が可能。
ハンドリングコースは大小のカーブを組み合わせたレイアウトを採用し、一般道路を再現した様々な走行が可能。
旋回試験が行われるスキッドパッド。周辺部には、粒子の大きさを指定した摩擦係数の低い舗装路がある。
旋回試験が行われるスキッドパッド。周辺部には、粒子の大きさを指定した摩擦係数の低い舗装路がある。

様々なハイドロプレーニング現象の試験

コース脇に設置した散水設備は、路面に作る水たまりが一定の水深になるように調整することができます。
ここで水深を変えて、ハイドロプレーニング現象(※1)の試験を行います。
ハイドロプレーニング試験では、10mmから1mm単位で水深を調節したコースで速度を変えて走行し、ハイドロプレーニング現象が発生する速度、ハンドルの手応え感などを記録します。また、コーナーの一部に水たまりを作って行う「旋回ハイドロプレーニング試験」や、片輪だけが水たまりに入る直線コースを走行し、ハイドロプレーニング現象を計測する試験なども行われます。

特殊な試験としては、直線路に埋め込んだ強化ガラス面の上に水を溜め、その上をタイヤが通過するように走行し、タイヤのトレッドパターンの排水の状態を高速度カメラで撮影する試験もあります。

旋回ハイドロプレーニング試験では半径100mのコーナーを100km/hを越える速度で通過し、横方向のハイドロプレーニングの発生を計測する。
旋回ハイドロプレーニング試験では半径100mのコーナーを100km/hを越える速度で通過し、横方向のハイドロプレーニングの発生を計測する。
水を張ったガラスの上をタイヤが通過する。ガラス面の下から高速度カメラで、タイヤのトレッドパターンの排水状態を撮影する。
水を張ったガラスの上をタイヤが通過する。ガラス面の下から高速度カメラで、タイヤのトレッドパターンの排水状態を撮影する。
ガラスの下から撮影したタイヤのトレッドパターン。速度と水深の違いによるパターンの変化と溝の排水状況を見る。
ガラスの下から撮影したタイヤのトレッドパターン。速度と水深の違いによるパターンの変化と溝の排水状況を見る。

自然条件との兼ね合いを考えながら行う試験

試験は正確な計測データを要求されるため、実施するタイミングが重要です。ハイドロプレーニング試験では、規定値以上に水深が深くなると、正確な試験ができなくなるため、雨が強い日は実施できません。また、ウェット状態の路面を使用した試験でコースを濡らすと、乾燥するまでは乾いた路面での試験ができないので、翌日の天気予報には注意を払います。

タイヤの騒音計測は路面が乾燥した状態で実施しますが、風があると風切音が計測器に入ることがあるため、風速5m以上の場合はノイズ計測試験を見合わせ、風が弱まるのを待って試験を行っています。このように試験場のスタッフは、日々気象や自然の条件を考慮に入れつつ、きめ細やかな試験スケジュールを立てテストを実施しているのです。

こうして宮崎テストコースで実施した試験結果が、【TOYO TIRES】の新しい商品に反映されていきます。

(2009年5月改訂)

(※1)ハイドロプレーニング現象
水がたまった路面で、ある程度のスピードを出したとき、タイヤが路面をつかみきれずクルマのコントロールがきかなくなる現象。詳しくは「走れ!タイヤくん第23回」を参照。



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