
トーヨータイヤTOP > 楽しむ・学ぶ > 何でもタイヤ講座 > Q2.スリップサインって何?
タイヤのサイド部には、スリップサインの位置を示す矢印が、周上6箇所に表示されています。スリップサインそのものは、トレッドパターン(※1)の溝の奥に隠れています。
タイヤをよく見ると、太い溝の間に一段高くなっている部分がある事に気づきます。これが、スリップサインです。その一段高くなっている所が、1.6ミリ。法令で定められた残り溝の最低ラインです。
スリップサインの出た(残り溝が1.6ミリをきった)タイヤで走ることは、法令(道路運送車両の保安基準)で禁止されています。もし、1ヶ所でも1.6ミリまですり減ってしまったら、そのタイヤを使ってはいけません。スリップサインが出る前に、新しいタイヤに交換しましょう。
タイヤの溝は、タイヤと路面の間の水はけを良くする、排水溝の役割をしています。タイヤがすり減ると、排水溝が浅くなり水はけが悪くなります。 水はけが悪いと、行き場を失ったタイヤと路面の間の水が溢れ、タイヤのグリップ力を低下させるのです。
雨の日に、革靴などの溝のない靴で歩くと、滑りやすくありませんか?これも、排水ができずに路面と靴の間に水が溜まってしまうからなのです。
タイヤにとって、溝はとても大切。一般社団法人 日本自動車タイヤ協会のデータによると濡れた路面における新品のタイヤと1.6ミリまですり減ったタイヤの制動距離(※2)は上図のように差があります。すり減ったタイヤはそれだけ危険なのです。
スタッドレスタイヤは溝深さが新品時の50%以下になると冬タイヤとして使用することは出来ません。使用限度は接地部に冬用タイヤの摩耗限度を示すプラットホーム(※3)が露出しているかどうかで判断してください。
その後夏タイヤとして使用する場合でも溝が浅くなると性能が低下します。スタッドレスタイヤにも夏タイヤ同様、スリップサインがありますので、確認してください。
(2012年4月改訂)
(※1)トレッドパターン
いわば「タイヤの顔」ともいえる部分。タイヤの表面にある溝で構成された柄や模様のこと。詳しくは、「何でもタイヤ講座:Q11」を参照。
(※2)制動距離
ブレーキを踏んだ後に、ブレーキが効き始めてからクルマが停止するまでの距離。
(※3)プラットホーム
スタッドレスタイヤとしての使用の限界を表すサインで、溝深さが新品の50%まで摩耗すると現れます。